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Thinking Time

選曲する①

2024年今年は苫小牧でやっていたソロリサイタルシリーズの4回目、9月7日(土)弥生教会で午後の開催予定で進めています。
苫小牧市の助成事業としての認可も下り、事務作業はひと段落の春です。

今日からはリサイタルのプログラムの決め方、選曲について綴っていきます!

選曲するにあたっては何を考えるかというと、、、
直感です!!!!

えー!?って思われた方もいらっしゃるかもしれません。
でも、、、第一印象良かったら大体良いですよね?
わたしは直感を信じずに痛い目によくあってきたので、
自分の直感信じてます!だいぶ!(笑)
この曲にした方がいいとかなんとか、邪念を抱えて歌って良かった!ってことはまぁずありません。

前回から一目惚れならぬ一聴惚れして取り組んでいる、
Finziというイギリスの作曲家の作品を今回も選びました。

G.Finzi作曲、Thomas Hardy作詞の
「Till Earth Outwears」(地球が朽ちるまで)という歌曲集全7曲

昨年末に今年に披露するつもりで音とりを済ませ現在は表情作りやピアニストとの音楽感のすり合わせを行っています。

イギリス歌曲になりますので全英語詩です。

前回のリサイタルでは「Oh Fair to see」という歌曲集に取り組んでおりました。こちらも全曲演奏し、その後の演奏会でも抜粋して色々なところで歌ってきました。

イギリスと日本は同じ島国ということで望郷の念というのでしょうか、
そういったところの根本が似ているように音楽を聞いていて思います。
それをもっと知りたくて、知るには演奏した方が速い、、、ので取り組み続けています。

今回の詩はHardyというこれまたイギリスの作詞家のものですが、
どうやら調べると彼はキリスト教徒でありながらも、
神の存在を盲目的に信じていた、というわけではなかったようです。
神の存在、は信じていたのかもしれませんが、
万能である、ということを信じていなかった、という方がより正確なのでしょうか。
わたしは日本人で多くの方と一緒で宗教観があまりなく育っているのでそのあたりどう感じるのか、「違い」を好ましく思っています。

信じたいものが絶対ではない、、、
その複雑さが彼の作風を一癖あるものにしています。

人生ハッピーハッピーハッピー!とはいかないですよね、
でも、
バッドバッドバッド!にも中々ならないと思います。

それにバッドにしたって、色んな種類のバッドがあると思います。
ここでイタリアだと泣いて嘆いて愛のためにひたすら命をかけていくのでしょうか?イギリスでは、そこにある種の諦めを感じるようです。
そんなところが日本と似通っているなと思います。

悟り?

「楽しげにヒナギクが咲いていた、まるでその下に墓がなかったかのように(中略)私は老いが若さに屈するのを見た。それでいい。私のひどく感傷的な気分は舌の上で死んだのだ」
(第7曲「人生は笑ってすすむ」対訳より)

あぁ!ぞくぞくします!(笑)

なんだか気になるな?!という方はぜひ9月7日に苫小牧へお越しください。
北海道でも、全曲を通してFinziを追っかけて歌う人はわたしくらいなものと思います。日本でも珍しいかもしれません。
現状CDになっている(世界規模で)のはテノール歌手のものですし、ソプラノで聞けるのも珍しいと思います。(国内のすべてを知るのは難しいので、調べた限りでは、です)

1.Let me enjoy the Earth(地球を楽しませて)
2.In Years defaced(壊れて失われた年月に)
3.The Market-Girl(市場の娘)
4.I look into my glass(私は鏡をのぞきこむ)
5.It never looks like Summer(夏のようには感じない)
6.At a lunar Eclips(月食にて)
7.Life laugh anward(人生は笑ってすすむ)

前半はこの他3曲歌います。

1曲ずつどう思っているのか綴っていきたいと思います〜
ぜひリサイタルの読み物としてお楽しみください♪


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